生活習慣病の予防やダイエットに効果があるという麦飯。
「血圧が下がった」、「痩せた」といった嬉しい声の中に、「おならが出る!」、「お腹が痛くなった」などというデメリットも聞こえるようです。
麦飯を食べたことで起こる腹痛や下痢症状には、どのような理由があるのでしょうか?
また、増えてしまったおならの原因やその対策はどうしたら?
今回は、麦飯のデメリットにについてご紹介します。
Contents
麦飯のデメリット|下痢症状の理由やお腹が痛い原因は?
白米に押麦やもち麦などの大麦を混ぜるだけで簡単に作れる『麦飯』。
大麦には、身体に良い成分がたくさん含まれているため、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病の予防の他、大麦に大量に含まれている水溶性食物繊維『大麦β-グルカン』によってダイエット効果が期待できると言われています。
その効果や手軽さから、麦飯にチャレンジし、実際に健康になった、痩せたという人も多いようです。
しかし、その一方で、麦飯に変えてから
- 「お腹が張って痛い」
- 「下痢になってしまった」
というデメリットの声も聞こえてきます。
それらの原因には、どのようなことが考えられるのでしょうか?
食べる量をチェック!
麦飯を実際に食べてみると「美味しい!」という声が非常に多いです。
もちろん、白米だけの甘さには負けますが、つるつるもちもちした食感から、ついつい食べ過ぎてしまう場合も…。
実は、麦飯は胃に入ると、もとの量より膨張します。
このため、麦飯を食べすぎてしまうことはもちろん、白米だけのときと同量の麦飯を食べると胃の中で膨らんでしまって胃痛や腹痛、下痢が起こる場合があるのです。
食べ過ぎを防ぐためには、胃の中で膨らむことを考え、よく噛んでゆっくりと食べると良いでしょう。
よく噛んで食べる!
白米に比べると、やや硬めに炊きあがる麦飯は、噛みごたえがありますね。
その為、よく噛んで食べないと、麦を丸のみしてしまうことになり消化不良へと繋がってしまい、その為、お腹が下ってしまう場合もあるのです。
どんな食材もそうですが、よく噛むことで消化吸収がしやすくなりますから麦飯も例外なく、よく噛んで食べる習慣を身につけましょう。
そして、ゆっくり食べることも大事ですから、早食いの方は気をつけてください。
ゆっくり、よく噛んで食べることで、食べ過ぎを防ぐことにもなりますから、一石二鳥と言えますね。
米と麦の割合をチェック!
白米に比べて、栄養が豊富な大麦ですが、実はカロリーも少しだけ低めです。
その為、カロリーダウンを考えて、白米の量を減らし麦の量を多くしている方も多いと思います。
中には、いきなり白米を止めて、10割全て大麦だけを炊いて食べるという場合もあるようですが、普段から大麦を食べつけていない人には、上に書いたような、食べる適量や、よく噛んで食べる習慣がないため、量を食べ過ぎてしまうなどの失敗をしてしまうこともあるのです。
大麦を食べ慣れない最初の頃は、白米に大麦を1割程度混ぜることから始め、慣れてくれるに従って、徐々に大麦の量を増やしていくと良いでしょう。
【関連記事】麦飯と白飯1合のカロリーを比較!栄養や効果効能が糖質制限ダイエット向き?
大麦が体に合っているかをチェック!
世の中には、様々なアレルギーが存在しますね。
中には、アレルギーレベルまではいかなくても、特定の食べ物が身体に合わないという場合も考えられます。
オーストラリアのモナシュ大学教授のピーター・ギブソン博士によると、麦類に含まれている『フルクタン』という糖の成分が、人によっては小腸で吸収されず、そのまま大腸まで到達してしまい、結果下痢を引き起こすという研究結果を発表しています。
(ちなみに、小腸で吸収されない糖は、『フルクタン』以外にもあります)
『フルクタン』は、ラッキョウやネギなどにも含まれている成分ですが、それを大量に摂取することで、お腹が緩くなってしまう体質の人がいるそうです。
(どのくらいの糖を摂取すると、実際に下痢が起こってしまうかは個人差があるそうです)
もし、下痢の原因が『フルクタン』かもと考えられる場合は、しばらく麦飯を食べるのを中止して様子を見ることが大事です。
気になる場合は、医師に相談することをおすすめします。
麦飯のデメリット?おなら対策は?
麦飯のデメリットとして『おなら』が出るという声もあるようです。
腹痛や下痢も嫌ですが、おならも困りますよね…。
おならが出る原因は、以下の事が考えられます。
おならの理由は?
おならの原因の約70%は、飲食物と一緒に胃の方に飲み込んでしまった空気と言われています。
この飲み込まれた空気が、げっぷやおならとして体外に排出されるのです。
ようするに胃に取り込む空気の量を減らすことができれば、おならの量も減るのです。
口から空気を呑み込まないようにするには、食事の時に大口を開けて食事をしない、炭酸飲料などを多飲しない、口を開ける回数を減らす、口で呼吸しないなどの方法があります。
まず、食事の時に大きな口を開けて飲食すると空気も一緒に飲み込んでしまいまいますから、食事の際は、少しずつよく噛んで食べると良いでしょう。
ビールやソーダ水などの炭酸飲料は、すでに大量のガスが含まれていますから、これらをたくさん飲むと、必然的に大量のガスが胃にはいってしまうことになるのです。
口を開ける回数を減らすには、話す頻度を減らしたり、ガムなどを噛むのを止めるのが効果的です。
口で呼吸しないについては、通常は鼻で呼吸をしているはずですが、鼻が詰まっていたりすると無意識に口呼吸をしている場合があります。
口から呼吸をすると、胃に空気を取りこまれることが増えてしまいますので、鼻詰まりを解消させるなどの対策が必要ですね。
おならの種類と対策は?
さて、おならの残り約30%は、腸内に送られた食物が腸内細菌によって発酵や腐敗することで発生したガスになります。
おならが出るのは、誰でも普通のことではありますが、普段に比べて明らかに回数が多い、臭いがキツイなどの場合などは心配になりますね!
おならにも種類があって、1つは食物繊維を摂ることで増えるおならと、もう1つはタンパク質が原因のおならです。
肉などの動物系タンパク質や脂質を多く食べると、腸内バランスが崩れ、腸内の『悪玉菌』が増加することで臭いの強いおならになります。
悪玉菌が増えると便秘の原因になり、体調不良や肌荒れや引き起こしかねません。
おならの臭いが気になる時は、悪玉菌を抑える効果のあるビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を摂ると良いでしょう。
食物繊維が豊富な麦飯は、前者のおならになりますね。
食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなって、善玉菌を増やし腸の動きを活発にしてくれます。
そこから起こるおならは、無臭に近く、健康上は全く問題がないと言われています。
とはいえ、仕事先や外出先で、頻繁におならがしたくなってしまうのは困りものですよね!
重要な用事が控えている場合などは、一時的に麦飯の摂取を控えるなどの対策をすると良いと思います。
ただし、食物繊維は、便の嵩を増やし便秘を解消してくれる働きがあることから、なるべくたくさん摂りたい栄養素の1つです。
おならが出るのが嫌だからと言って、食物繊維の摂取を止めてしまうのは、健康にとってのデメリットとなってしまいます。
時間は多少かかりますが、腸内環境が整うに従って、おならの量が減っていく傾向にあるようですので、最初は大麦の量を少なめにして、慣れるに従って徐々に増やしていく方法が一番の近道かもしれませんね。
さいごに
肌や髪の毛など健康と美容に良い麦飯ですが、慣れないうちは腹痛や下痢といったデメリットがあるようです。
腹痛や下痢の原因は、麦飯を食べ過ぎや、よく噛まずに食べることによる消化不良が考えられます。
おならが増える理由は、大麦に含まれる豊富な食物繊維が腸内環境で良い働きをしている為です。
これらの症状対策としては、最初から大麦の量を多くせず、まず少ない量から始めて、徐々に体を大麦に慣らしていくことをおすすめいたします。
麦飯のメリットを最大限に生かすためには、無理をせず、長い間続けることを目指すことが大事ですよ。